カナダと日本の教育の違い

日本で学校の先生をやっている人や、これからなろうと思っている人は、日本の教育に敏感に反応し、時には教育方針に対し疑問をいだいている人もいるかもしれません。

今日は、カナダと日本の教育の違いについて書いてみようと思います。

現在、カナダで小学校の先生を目指している方にインタビューをさせていただきました。

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Cathyさん
Capilano University 専攻:Early childhood Care & Education

日本では大学卒業後、商社で7年間働き、 新しいキャリアを探していた時に海外の幼児教育にたどりつきました。 調べて行くうちに、Reggio Emilia approach*(レッジョ エミリア アプローチ)にたどり着いて、キャピラノ大学がそれを学ぶのに良いって聞いたので、キャピラノ大学で幼児教育を取るためにバンクーバーへきました。将来的には、カナダで学校の先生になるのが夢だそうです。

*Reggio Emilia approach(レッジョ エミリア アプローチ)http://www.hoikushigoto.com/report/news/reggio-emilia/

 

Q. 現在あらためてカナダの大学で勉強していて、自分自身が生徒として大学での教育をどう感じますか?

まず、カナダで大学進学する時は、大学受験がないんです!

私のようなインターナショナルスチューデントがカナダの大学に入るときは、英語のレベルを提出する必要はありますが、やりたい科目に誰でも入れるってイメージです。

その代わり、入ってみて思ったのが、エッセイやプレゼンテーションを授業でやらなければいけない機会がものすごく多く、宿題も半端なく出ます。

遊んでる暇なんてない!

自分が日本で大学生だった頃は、イメージ的に「大学は時間があるから、遊びにいったり、旅行に行ったり、バイトしたりしてキャンパスライフを楽しむ」って感じだった。

日本での就職も大学で習った科目とは全く別の仕事をしていたので、大学はただ「有名大学を卒業すれば。。。」って思っていた。

カナダではそうはいかず、自分が「どこの大学を出た」ではなく「習った科目は何なのか」が就職する時にものすごく大事になることを周りの大学の友達を見ていて思った。

カナダの大学では【とにかく勉強させられる】、私にとっては、日本の大学より、カナダの大学の方が、お金を払って勉強する価値はあると思った。

 

Q. 現在の実習先(カナダの保育園)で、日本と違うと思う事は何ですか?

現在の実習先は、小学校に上がる前の子供たちのクラスです。

まずは、一人の先生がみる子供たちの数が、日本と全然違う事に驚きました。

4歳児で比べてみると、日本は一人の先生が見れる生徒数は30人まで、でもカナダでは、8人までと決まっています。

先生たちがトイレに行ったり、お昼休憩に入ったりするときも考えて、実際どこの保育園でも先生一人に6人くらいまでしか子供たちをつけていません

そのかわり、カナダの保育園は値段が高いですよ。どこも日本保育園の値段の倍くらいします。

それに日本は2人からは値引きになったりしますが、カナダは何人子供がいても完全にそれぞれフルの値段がかかってきます。

次に、カナダは、多民族国家でもあるため、小さい頃から同じクラス内にいろいろな国の子供たちがいます。

みんながみんな小さい子たちは英語が通じるわけではありません。それだからか「みんなで一緒に何か同じことをする」という時間がほとんどないと思います。

例えば、日本は「みんなでお歌を歌いましょう!」とか「みんな並んで○○しよう!」というように小さい頃から協調性やチームワークを大事にすることが求められます。

カナダは、どちらかと言えば「自由主義」良く言えば、一人一人の個性を尊重する教育がされます。

他にも自然に触れさせる事がカナダでは大きなテーマのようになっているから、日常的に森や公園に良く出かけ、自然にある枝や葉っぱを使って絵を書いたり、工作をさせる授業がたくさんあると思う。

また、いろいろな国の人がいるから、そういう文化を小さいときから触れさせる体験もありますね。例えば、中国人のおばあちゃんを呼んで料理をしたりとか。

日本では、「自由主義」とは言えないけど、もっと教育面でしっかりしたカリキュラムがあると思う。

日本では、小学校に入る前から、はさみの持ち方の練習や、字の書き方の練習、トイレの練習などは、みんなちゃんと出来るようになるのが基本ですもんね。

それと、日本は季節特有のイベントがたくさんあります。秋にはお芋掘りに出かけたり、春はサクラを見にいったり、7月は七夕を作ったり、虫歯予防の歯ブラシ運動をしたり、2月は節分をしたり、クリスマスパーティーをしたり。そういった季節のイベントが盛りだくさんなのは、日本の良いところだと思います。

他に、カナダの保育園で驚いたのは、3歳、4歳のやっと言葉がしゃべりはじめた頃から、前に立ってのスピーチをさせはじめます。

「自分の紹介したいものを持って来てスピーチしてください」「なんでコレを特別だと思っているのか」こういう練習を小さい頃から行なっていると、やはりみんな自分の意見をしっかりと持ち、ちゃんと言葉で伝えられる人になるんだな〜と思いました。

 

Q. 小学校、中学校、高校の教育で、日本と違うと思う事は何ですか?

まず思いつくのは、傷害を持っている子に対する対応が違う気がします。

カナダでは、障害を持っている子の申請を出すと、学校では必ず先生が1人専属でその子につくようになります。

それから、中学校や高校の時から、学校には15クラスくらい選択授業があり、「フォトグラフィー」や「ケミストリー」や「クッキング」や「ヘアドレッサー」「ペインティング」「車メカニック」「グラフィックデザイン」「演劇」「第二外国語」などから自分が選ばないといけません。

例えば1学期が8クラスだとしたら、4クラスは決められた必修科目(英語、数学、理科、社会など)で、もう4クラスは選択授業になります。

カナダでは、「自分で自分のやりたいことを勉強させる」「自分がやりたい事を伸ばせばいい」「やりたいと思ったときにやればいい」がカナダ式みたいです。

小さい頃は宿題はほとんど出ず、「家族と過ごす時間を大切にしてください」って感じがあるかも。日本は、全部をまんべんなく勉強して、宿題も多いイメージよね。

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Cathyさんからのまとめ

  • 社会が求めている人物像「人がどう生きるべきなのか」という根本的な考え方がそもそもカナダと日本では違う。カナダ「インディペンデント」、日本「チームワーク」「協調性」。社会は何も言わなくても、見えている言葉が違う。だからこそ、そこにたどりつくまでの教育も違ってくるということだと思う。
  • カナダでは18歳からは自分で家をでて、自分のお金で大学に行き、生きていく。日本は大学卒業までは親が面倒を見て、何歳になってもいつまでも親が口を出す。
  • カナダでは自分の好きな分野しか伸びない。特化した分野での成功者も多い。しかし、大人になってもまだ夢を追いかけている「夢追い人」も多い。日本ではみんなで同じように教育を受けているから個性はない。だれでもある程度はなんでもできる。人との差を感じにくい
  • 自分がどちらで今度生活をしたいかで、教育は変えるべきだと思う。日本社会で生きていきたいのか、北米社会で生きていきたいのか。国が違うのだから、住む環境も違うし、答えはない。でも一つ言えるのは、日本の子供たちに、もっと英語がしゃべれる環境を与え、将来進める選択肢を広げてあげてほしいことです。

Cathyさん、ありがとうございました。

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